753万台のWindows 7が稼働する中小企業ならではの理由とは

中小企業におけるWindows10への移行状況
(出典:2019年12月デルとEMCジャパン調べ
 ※国内の中小企業(従業員数1~99人)
のIT担当者1035人が対象)

 マイクロソフトは2020年の1月14日、「Windows 7」のサポートを終了し、セキュリティ更新プログラムなどすべてのサービスの提供を終えた。

 しかし、日本マイクロソフトの推計によれば、日本国内におけるWindows 7を搭載するパソコンの稼働台数は2020年1月時点で、法人だけでも753万台に及ぶという。

 特にこの状況が顕著なのが中小企業だ。Dell EMCが2019年12月に実施した独自調査によれば、Windows 10への移行が「完了済み」と答えたのは56%でしかない。つまり昨年12月の時点で、まだ半数弱がWindows 7のパソコンを使っていたことになるわけだ(図)。

 今後は、新たなパッチやアップデートが提供されないため、今のままでは中小企業のパソコンを起点にマルウエア感染などが広がり、深刻な事態を招く恐れがある。

 IPAが2019年度に発表した重大リスクの第4位に、サプライチェーンリスクがラインクインしている。これはサイバー攻撃が、大企業ではなく下請けや孫請けの会社を狙い、そこから侵入し、長いスパンで最終的に大企業の情報を詐取するパターンが増えていることを意味する。

 Windows 7を搭載したパソコンを使い続けていれば、経営上の重大な問題を起こしかねず、取引基準としての要件を満たせなくなる可能性もあるだろう。

 とはいえ中小企業側にも事情はある。先の調査で、「移行が遅れている理由」について尋ねたところ、従業員が10人以上の企業の場合では「予算」が32%、続いて「使用ソフトのWindows 10への対応」が29%、「データやソフトの移行」が21%などとなっており、従業員が9人以下の場合も同様の理由となっている。

 つまり、新しいパソコンに入れ替えるとしても、「予算」「使用ソフト」あるいは「スキルや知識不足」が壁となっているわけだ。最近のPCは進化が早く、CPUの性能1つをとっても、その優位性を知ることは簡単ではない。例えば、第9世代 インテル® Core™ プロセッサーはマルチタスク処理が重要となるトレンドに合わせて作られた新プロセッサーだが、そうしたことを知らなければ、業務に最適なものを選ぶことは容易ではない。

 それでは、こうした様々な事情でWindows 7のパソコンの使用を続けている中小企業は、どうすべきなのか。その延命策や今後取るべき方針も含めて紹介したい。

Windows 7を延命するための具体策や今後取るべき方針とは

 様々な事情によって、Windows 7を延命したい、あるいはこれからWindows 10に移行したいがどうすればよいのかといった中小企業のIT担当者の悩みに応えるのが、デル・テクノロジーズの「デル テクノロジーズ アドバイザー」だ。

 デル テクノロジーズ アドバイザーは、中小企業のIT活用に関する専門的な知識とスキルを身につけたデル・テクノロジーズの相談員を指す。従業員1~99人規模の企業に対応し、IT全般の相談窓口、指南役となる「ITコンサルタント」的な位置付けになる。

 社内のIT環境について困ったときや迷ったとき、中小企業のIT担当者は、どこの誰に何を聞けばいいのか分からないケースが多いはずだ。デル テクノロジーズ アドバイザーは、こうした悩みにWebや電話を通して、きめ細かく対応する。しかも相談や見積もりだけなら料金は無料だ。

デル・テクノロジーズ株式会社
デル テクノロジーズ アドバイザー
(ビジネス営業統括本部
セールスレプリゼンタティブ) 松浦 祐作

 先の調査では、従業員99人以下の企業の9割以上のIT担当者は、ほかの主業務と兼任をしており、58%の担当者はIT管理に割ける時間はわずか1割ということが判明している。

 ITに関する知識レベルについても、「少しある」と答えた回答者が40%と最も多い一方で、「十分にIT知識がある」と回答した人は9%と、ごくわずかでしかない。

 専門的な情シス部門を持たない多くの中小企業にとって、社内に散在する複数台のパソコンを対象としたWindows 7の延命やWindows 10への移行が、決して簡単ではないということが改めて認識できる。

 「正直なところ、“変えたくても変えられない”とおっしゃるお客様が非常に多いのです。例えばメーカーの場合、製品管理や在庫管理といった基幹系のシステムは、導入時に数百万~数千万円もかけて作り込んだケースが少なくありません。新しいOS向けに同様のコストをかけて作り直す人的・予算的な余裕がない、だからセキュリティリスクを考慮して基幹系をインターネットから切り離し、Windows 7のパソコンが壊れるまで使い続けるしかない、という声もよくお聞きします」と、デル テクノロジーズ アドバイザーの松浦 祐作は語る。

 それではやむを得ない事情により、Windows 7を使い続けたい場合、どうすればよいのだろうか。

暫定的にWindows 7を安全に使い続ける方法は

 解決策の1つとなるのが「仮想デスクトップ(VDI)」の活用だ。

 これまでWindows 7のパソコンで運用してきた既存アプリケーションがWindows 10でサポートされない、あるいはWindows 10への改修コストが見合わないといった場合、Windows 7環境を仮想化技術でVDI化することで延命を図ることが可能だ。

 「ただしVDIの環境をオンプレミスで構築する場合には、サーバーの導入も含めて、かなりのコストがかかります。100台、200台といった規模のパソコンを一括してVDI化するのであれば、1台当たりのコストも納得できる範囲内となりますが、数台から数十台程度の場合、あまり現実的ではありません」(松浦)

 一方で、Windows 10移行のための手間やコストをなるべくかけたくないという要望を持つ企業も多く存在する。

 そうした需要に応えるため、マイクロソフトではWindows 7の延長サポートプログラム「Windows 7 Extended Security Update(ESU)」を用意している。対象となるOSは「Windows 7 Professional」および「Windows 7 Enterprise」。個人ユーザー向けの「Windows 7 Home Basic」と「Home Premium」では利用できないので注意が必要だ。

 Windows 7 ESUに加入すれば、2020年1月14日以降もセキュリティアップデートや重要な更新の提供を受けることが可能になる。ただし、このプログラムの提供期間は2023年までとされており、ライセンス契約の都合上、ベンダーにはセットアップを委託できず、顧客自身で1台1台のパソコンに対処していく必要がある。

 「ESUはセットアップ中の画面ガイダンスでも、英語表記のみの細かな選択肢が含まれているので、ある程度ITの知識を持っていないと、かなりの時間とリスクが生じることも覚悟しておかなければなりません」(松浦)

 つまり最終的にはWindows 10への移行を同時並行で検討していくことが重要となる。

 そこでデル テクノロジーズ アドバイザーは、こうしたIT担当者の不安や負担を最小化しながら、Windows 10への移行をスムーズに行えるよう、様々な提案を行っているという。

同時並行で進めるべきWindows 10への移行。その方法は

 Windows 10への移行で最も作業負荷が大きいのが、パソコン環境の設定だ。そこでデル・テクノロジーズでは、「IT担当者の手間や負担を最小化できるキッティングサービスやデータ移行サービスも提供しています」と松浦は話す。

 キッティングとは、パソコンを業務で利用できるようにするための事前設定のこと。1台当たり約2~3時間はかかるため、中小企業のIT担当者にとっては非常に大きな負担となる。だが、このサービスを利用することで、OSのセットアップからOfficeソフトの初期設定、アプリケーションのインストールなどを、すべてデル・テクノロジーズの専門家に任せることができる。データ移行サービスも併せて利用すれば、ユーザーは新しいパソコンを受け取った時点で、すぐに今まで通りの業務を始めることができる。

 アップデート管理も大きな負担だ。Windows 10では半年ごとに新機能が提供され、一般的な利用形態ではパソコンが自動的にインターネットからアップデートファイルを取得・インストールする形となる。これは企業ユーザーにとっては悩ましい問題だ。複数台が同じタイミングでダウンロードを始めると、限られた通信帯域が一気に逼迫するだけでなく、新しい更新プログラムが社内テストを経ずに適用されてしまえば、業務アプリケーションが突然動かなくなるなどのトラブルが発生する危険性があるからだ。

 「そこでお勧めしているのが、社内にActive DirectoryサーバーやWSUS(Windows Server Update Services)サーバーを立て、アップデート管理を一元化する方法です。業務に影響を与えないよう更新タイミングを最適化できることに加え、更新の成功や失敗などの結果もレポートされるため、社内端末の一括管理にも効果を発揮します」(松浦)

 これまで使っていた業務アプリケーションをWindows 10の環境でも使い続けたい場合は、システム全体のマイグレーションを行う必要がある。この場合もデル・テクノロジーズは、そのアプリケーションの開発元やパートナー企業と連携して、Windows 10に最適化したシステムへの移行に対応することが可能だという。

 それでは、予算的な問題でWindows 10への移行をためらっている場合はどうか。

 「パソコンの台数がある程度まとまれば、ボリュームディスカウントが可能です。また、減価償却がネックだったり、消耗品費として計上できる10万円以下の製品でないと買えないといった場合には、デルファイナンシャルサービスによるレンタルやリースもご案内できます。多額の初期投資を必要とせず、毎月定額のお支払いで最新機種を活用できるため、非常に引き合いが多いサービスです。お客様の財務状況に合わせた多様な選択肢をご用意しています」(松浦)

 Windows 7を使い続ける方法はあるが、リスクが大きいのも事実。並行してWindows 10への移行を考えておくことが肝要だ。今からでも、まずは相談しながら自社なりの解決策を探ることが大事だといえそうだ。

※ デル・テクノロジーズ株式会社は、デル株式会社およびEMCジャパン株式会社の合併により設立されました。

Original
Source

日経BPの許可により 2020年3月12日~2020年4月13日掲載の日経クロステック Active Specialを再構成したものです

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